「アンコール」シリーズ 最終
アンコール遺跡での6日間。
いちばんにはやっぱり、遺跡を巡る合間、合間に、
地元の村の人々の生活が見えたことだ。

アンコール遺跡群の周りに広がる農村の風景
キャピタル・シティ(実際、シュムリアップではプノンペンのことをこういう人が多かった
とはまた違った顔のカンボジアでした。

プチュム・バンの休みで帰省中?
村のところどころでは、
若者たちが寄り合って、何やら楽しそうにおしゃべり。
木陰ではハンモックに揺れる姿も。
緑の水田を陽が照らしている。
何といってもここは世界遺産のど真ん中だ。
田んぼの中にヤシの木がでんと立っていたりしておもしろい。
田んぼがヤシの木に遠慮しているかのようだ。

庭先で牛が草を食んでいる。
ところ狭しと干された洗濯物。何人家族なんだろうか。
魚を捕るアミを仕掛る少年。
水辺では、母親と一緒に蓮の花を採っている少年もいたなあ。
丸裸だった。
穏やかな空気が漂っていた村々の一方で。

遺跡群では、物を売って歩く少年少女の姿が目に残っている。
それまで、機嫌良く遊んでいた子どもたちが、
観光客が近づいた途端に一変して、物売りになる。
クロマー(スカーフ)、絵はがき、アンコールの解説本、手作りの楽器などなど、
素早く手にして、言葉巧みに近寄ってくる。

クーレン山頂へ向かう道すがら、
どこからやってきたのだろうか(家などそんじょそこらに見当たらない)、
通り過ぎて行く車に手をふる子どもたち。
お金や物を差し出す人がいるんだ、とガイドのロンさん。
どこかもの哀しそうな目。一日中こうしているの?
何が? 誰が? この子たちをこうさせているのか。 P9240510_convert_20141013145223.jpg
                        山頂で靴番をする少女

山頂の寺院で、手にした紙幣をじゃんけんで分け合っている子どもたちがいた。
その屈託のなさそうな笑顔に、少し救われた気がしたが。

とまあ、いろんな顔を見た、見せてくれた「アンコール」でした。




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【2014/10/13 15:05】 | シュムリアップ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「アンコール」シリーズ 番外
ベン・メリアからの帰り、
寄り道したいんだけど---、とガイドのロンさん。

立ち寄った村には、
日本の団体の援助で設置された井戸が。
井戸はこの6月に出来上がりました。
それからは訪れる機会がなかったので、
井戸の様子を確認したいのだ、とロンさん。

カンボジア、と聞くと、
浮かんでくるのが、ボランティアによる学校建設と井戸掘り。
これらの活動を組み込んだスタディ・ツアーもさかんなようだ。

ロンさんいわく、
井戸を掘る費用も、一基2万円(日本円)くらいからとピンキリ。
この井戸には締めて20万円かかったそうです。

IMG_2186_convert_20141010220416.jpg 掘削が浅いと、
 わずか2年ほどで水が出なくなってしまう。
 そんな井戸も多いらしい。
 そこで、この井戸は
 今後に備えて、掘削が50メートル。
 ポンプも洗い場もしっかりと頑丈な作りです。

P9230490_convert_20141010213751.jpg
背丈ほどある大人用の自転車を押して、
女の子が水汲みにやってきました。
そんなにいっぱい汲んで大丈夫?
          持てるかなあ。
近所のおばさんが、
自転車の荷台にバケツを積むのを手伝って。


女の子は木陰の向うに消えていきましたが、
井戸が出来てよかったこといっぱいありますね。

援助の申し出を受けたロンさんは、現地の人からの聞き取りで、
ここなら水脈がある。水は出る。と確信して設置場所を決定。
その後のメンテナンスにも考慮し、掘削は現地の業者さんで。
そして、井戸が出来上がった。

援助された団体さんに成り代わって、ロンさん、この後もフォローよろしくね!
  (すみません!勝手に。水、しっかりと出ていましたよ。)




【2014/10/10 22:19】 | シュムリアップ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「アンコール」シリーズⅣ
アンコールに行くならと、
カンボジア人からもススメられた「ベン・メリア」。

シュムリアップから1時間30分。
周囲を森に囲まれてひっそりと佇むベン・メリアには、
ミステリアスな雰囲気が漂っていました。
陽が陰っていたこともあって、余計にそれを助長していたのかもしれませんが---。

崩壊が激しく、崩れ落ちた石が幾重にも積み重なって、
歩けるところは限られていましたが、
そんなものがあるのかないのか
「崩れ去っていくものの美」をみせてくれているような。

積み重なった石を覆う苔に、時折陽が差してー。
芭蕉の「夏草や兵どもが夢の跡」。つい浮かんできました。

P9230449_convert_20141004174406.jpg  回廊も天井が朽ちはて、
   周囲の石壁も崩れ落ち---

 
  よくよくみると、
  重なる石の中に、仏の顔があったりで、
  探検気分も少し。


P9230445_convert_20141004174558.jpg この奥には池があるとかで、
村の子どもたちにとって、
ここは、遠回りしなくていい恰好の近道。
石に腰掛けおしゃべりする娘さんたちも。

はずさないでよかったあ、ベン・メリア
アンコールでのわたしのイチバン!でした。

  
 牛を追う少年抱きベン・メリア





【2014/10/08 18:39】 | シュムリアップ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「アンコール」シリーズⅢ
アンコール・トムもご紹介しておきましょう。

トムはクメール語で「大きい」。
なので、アンコール・トムは大きな都
王宮は木造だったとかで、残っていません。
周囲の城壁にある塔門をくぐって中に入るのですが、
ここを通っている道路は今もなお、周辺の村の人たちの生活道路。

バイクやトゥクトゥク、自転車、耕耘機(?)なども、
ふれれば崩れ落ちそうな塔門をフツーにくぐり抜け、王宮内を走っています。
自然な空気というか、ふあーっとした空気感が漂っていて、
いかにも「遺跡でゴザーイ」っていうのがないのがいい。
ここが、日本とちょっと違う感じ。

中心にあるのが、バイヨン寺院
回廊のレリーフに、王宮内の様や戦い、人々の生活が描かれていて楽しい。
アンコール・ワットを見終えたあとの
疲れた目と体にすんなり入ってきます。

レリーフの一場面
P9210225_convert_20141002133228.jpg バナナを焼いたり、ブタをゆでたり、
 米をついたりの炊事の様子。
 ごちそうを捧げ持つ人もいます。
 魚を捕っているシーンでは、
 ワニに足をかまれる寸前の人や
 アミを投げている人もいる。
 足の裏をコチョコチョされている人や、
 トラ(?)に睨まれ、
 木の上に身を隠している人も。     

赤ちゃん誕生のシーンまであって、
人々の仕草がユニークに描いてありました。

ここ、おススメです。


【2014/10/02 13:56】 | シュムリアップ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「アンコール」シリーズⅡ
翌日の朝9時。
料金所で3日券を買って、まずはアンコール・ワットへ。

カンボジア人の誇り、アンコール・ワット。
誰に聞いても、いちばん先にあげるのが、アンコール・ワットです。

こんなに壮大な遺跡がジャングルに隠れていたなんて、
とてもとても信じられません。
ガイドさんによれば、
フランスの学者に発見される200年前には、
すでに近くの村の人々には知れ渡る存在だったということですが、
それはそうでしょう、とうなずけます。

回廊に、びっしりと刻み込まれた壁画。
ストーリーを刻んだ中にも、
石工さんたちが遊び心を発揮させた?
と思わせるような楽しげな図柄があったりー。
見応えがあって、
お昼過ぎ、アンコール・ワットをあとにした時には、グッタリでした。

印象的だったのは、
何をするともなしに、遺跡の階段に座っていた親子連れやお年寄り。
それに、遊んでいる子どもたちが、もの悲しそうな雰囲気を漂よわせていたこと---
わたしのうがった見方なのかもしれませんが。

P9220351_convert_20140930201014.jpg  夕日に映えるアンコール・ワット
   レンガが赤く染まって、すてきでした。

    夕日受け別の顔してアンコール








【2014/09/30 22:31】 | シュムリアップ | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
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