アンコール遺跡での6日間。
いちばんにはやっぱり、遺跡を巡る合間、合間に、
地元の村の人々の生活が見えたことだ。
アンコール遺跡群の
周りに広がる農村の風景。
キャピタル・シティ(
実際、シュムリアップではプノンペンのことをこういう人が多かった)
とはまた
違った顔のカンボジアでした。
プチュム・バンの休みで帰省中?
村のところどころでは、
若者たちが寄り合って、何やら楽しそうにおしゃべり。
木陰ではハンモックに揺れる姿も。
緑の水田を陽が照らしている。
何といってもここは世界遺産のど真ん中だ。
田んぼの中にヤシの木がでんと立っていたりしておもしろい。
田んぼがヤシの木に遠慮しているかのようだ。
庭先で牛が草を食んでいる。
ところ狭しと干された洗濯物。何人家族なんだろうか。
魚を捕るアミを仕掛る少年。
水辺では、母親と一緒に蓮の花を採っている少年もいたなあ。
丸裸だった。
穏やかな空気が漂っていた村々の一方で。
遺跡群では、物を売って歩く少年少女の姿が目に残っている。
それまで、機嫌良く遊んでいた子どもたちが、
観光客が近づいた途端に一変して、物売りになる。
クロマー(スカーフ)、絵はがき、アンコールの解説本、手作りの楽器などなど、
素早く手にして、言葉巧みに近寄ってくる。
クーレン山頂へ向かう道すがら、
どこからやってきたのだろうか(
家などそんじょそこらに見当たらない)、
通り過ぎて行く車に手をふる子どもたち。
お金や物を差し出す人がいるんだ、とガイドのロンさん。
どこかもの哀しそうな目。一日中こうしているの?
何が? 誰が? この子たちをこうさせているのか。
山頂で靴番をする少女山頂の寺院で、手にした紙幣をじゃんけんで分け合っている子どもたちがいた。
その屈託のなさそうな笑顔に、少し救われた気がしたが。
とまあ、いろんな顔を見た、見せてくれた「アンコール」でした。