ランカー寺の正門近く、
木からぶら下がった花を摘んでいる若者を見かけた。
一度は通り過ぎた---のだが、好奇心がムクムク。
後戻りした。
よくよく見るとその花、
何とも
奇妙な恰好で咲いている。説明するより写真をごらんいただく方がわかりやすいですね。

地面に近い太い幹から、直接ぶら下がるようにしてついている花房。
こんな花、というかこんな木、はじめてです。
若者に尋ねてみた。
木の名前は「
リヤン・プノン」。
(後で、クメール語の先生に聞いたところ、これは話し言葉で、
正しくは「
ボー・プラック=ボーの木」というようだ。)
この木の下で、仏陀は安産で誕生された。
この花を乾燥させ、ボイル(煎じて)して飲むと、妊婦さんや
女性の健康にもいいとされている。
とのことだった。
安産だったお釈迦さまにあやかろうということなのか---。
ところで---仏陀に関わる三大聖樹といえば、
生誕=無憂樹、成道=天竺菩提樹、涅槃=沙羅双樹とある。
なので、
リヤン・プノンは「無憂樹」かも、と思って、ネットで調べてみるとー。
無憂樹とは似ても似つかず、花の形も全然違っている。
ではいったい、和名では何という木?
木の名前に辿りつくまでが大変だった。
とうとう見つけました!「
タイに魅せられてロングステイ」というブログの中に。
その中にあったのです。この木が!
名前は、
サガリバナ科の「ホウガンの木」。
タイ仏教では、お釈迦様の誕生を見つめていたのが、
このホウガンの木とされているそうです。
だとすれば、カンボジアでも同じよう解されているということですね。
花の後には、直径20センチほどの実をつけるそうで、
その実がまさに砲丸的?
英名は、キャノンボールツリー。それにしても、はじめてであった不思議な木。
砲丸のような実、早く見てみたいものです。